第1章 正しい箸の持ち方を学ぶ
    箸道の三原則

これが正しい箸の持ち方である。(と思う)モデルはわたしだ。基本は、2本の箸が先端に向けて狭まる形で角度を成す点だ。そのうえで、物を挟む際には、下方の箸(箸道では「二の箸」と呼ぶ)は固定したまま、上方の箸(箸道では「一の箸」と呼ぶ)が動かねばならない。また、親指の位置は箸の中央よりも後尾より、箸の重心位置にあることが望ましい。この三つのポイントを箸道では「箸道の三原則」と呼ぶ。
一の箸の持ち方

一の箸は人差し指と中指を添え親指で支える。ちょうど鉛筆を持つ要領である。箸は人差し指と中指の間に収め、親指の腹で押さえつける。親指の腹が箸の重心位置に来るよう留意。前もって箸の重心位置を割り出しておこう。

二の箸の持ち方

二の箸は親指と人差し指が成す谷に置き、薬指の第一関節に当てた後親指の根本で押さえつけて支える。小指は薬指を助ける形で添える。谷と薬指が手前へ押しだし親指の根本が向こうへ押す形で箸を固定する。親指の根本が二の箸の重心位置に来るよう留意。この固定がしっかりしないと、挟み込みの精度が下がるのでしっかり練習したい。
挟み方

一の箸と二の箸を合わせて持つ。このとき、箸の先端を合わせたとき、二本の箸が15度から20度の角度を成すよう持ち方を調節する。この角度が大きすぎると下品、小さすぎるとはさみが難しくなる。きちんと持てたら、二の箸をしっかり固定したまま中指を使って一の箸を動かす。このとき人差し指は中指の動きの幅と方向を制御する形で使う。