二号室
サンプルその04  02年9月ツインリンクもてぎプレスルームにて採取。  


同業者。前々から記録したいと狙っていた。この写真、食事を中断して箸を休め、くつろいでいるところではなく、今まさに食事中の光景である。一の箸、二の箸の区別は為されておらず、2本の箸が同じ比重を持って有機的に作用する。これはこれでスタイルかもしれないなあ、と思わせるほどに衝撃的な例である。



一の箸は、本来の人差し指と中指ではなく、中指と薬指の腹で支えられている。行き場をなくした人差し指は親指に添えられ輪を形成することによって、おそらくは中指と薬指という変則的な組み合わせの指使いをコントロールする際の反力を受け止めバランスを取っている。驚くべきことに、薬指は一の箸のみならず二の箸の支持にも用いられてる。十分な支持力が確保できないため、手のひらが反転し箸を手に「乗せる」形になっているのが大きな特徴である。


物を挟む際、箸は薬指の腹を微妙に滑って位置を変える。すなわち、一の箸と二の箸は薬指の腹の上で滑り、お互いの位置関係を変える。その結果、箸先が接近して物を挟むことが可能になる。サンプルは、ある意味ものすごく器用なのかもしれない。2本の箸を固定したうえで動かすと言う本道とは全く異なる思想に支配された箸使いである。
サンプルその05  02年10月葉山しおかぜ公園にて採取。


男性グラフィックデザイナー。本コレクションでは初登場だが、世間一般にかなり多く見られるケース。つまり、一の箸を支持する際、人差し指が浮いた不完全な形になり、コントロールが十分できなくなった分、薬指と小指が一所懸命働いて、一の箸をサポートする形式。二の箸の固定は、かなりしっかりしているが、一の箸のコントロールは難しいはず。浮いているように見える人差し指の腹が、大きな役割を果たしている。間違ってはいるが、このサンプルは非常に美しい。